日商簿記検定試験範囲改正

日商簿記検定においてネット試験が導入されてから6年が経過しました。その間大きな改正はありませんでしたが、2027年4月から3級・2級において試験範囲の改正が行われることとなりました。主な改正内容は以下の通りです。

①手形・小切手の廃止
政府の方針で2027年4月から紙の手形・小切手が廃止される方向となりました。それに合わせる形で、日商簿記検定でも手形・小切手は出題されなくなります。よって、今後は受取手形・支払手形という勘定科目もなくなります。

②3級での定率法導入
従来、減価償却の定率法は2級での学習とされていました。しかし、現在の3級の対象が小規模法人となっているため、法人の減価償却方法である定率法を学ばないのは、実務上いかがなものなのかという声があったようです。今後は3級において、定額法・定率法いずれも学ぶことになります。

③売掛債権の譲渡(ファクタリング)の明示
近年「その他の債権譲渡」として2級で出題されていましたが、今後よく出てくる取引ということで、出題区分表においても明示されることとなりました。なお、2級においては2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの簡易なもののみを出題することとなっています。

④リースの取扱
新リース会計基準の導入により、借手側ではファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の区分がなくなったことから、2級の学習においてもその区分がなくなりました。また、従来「リース資産」としていた勘定科目は「使用権資産」と変わります。

久々の大きな改正ですが、そこまで大変な改正ではないように思われます。むしろ、実際の業務において見かけやすいものが3級・2級に入ってきた印象を受けました。従来は「3級だけ勉強してもあまり役に立たない」と言われたこともありますが、今後は3級だけでもそれなりに役立つのではないかなと思います。「簿記は難しい」と思われている方、まずは3級だけでもチャレンジされてはいかがでしょうか。