年に1度の税理士試験までいよいよ1週間になりました。弊事務所でも数名の職員が受験しますが、今回は「税理士試験はどんな試験なのか」ということを簡単に記したいと思います。
税理士試験は会計科目と税法科目に分けられます。会計科目は簿記論と財務諸表論、税法科目は法人税法、所得税法、相続税法、消費税法(以上国税項目)、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税です。これらの中から5科目合格すれば税理士試験合格となります。ただし、科目には条件があり、会計科目である簿記論と財務諸表論は必須科目、法人税法と所得税法は選択必須科目(どちらか1つは必ず合格しなければならない)となっています。
税理士試験は科目合格制になっていますので、一度に5科目合格する必要はなく、複数年かけて合格を目指せる試験となっています。これだけを聞くと「意外と楽そう」と言われますが、結構大変です。
簿記論以外の科目は、試験時間120分で計算問題50点と理論問題50点という形になっています。計算問題は決算書や申告書の作成、それに付随する個別問題ですが、ボリュームが多い上に、勉強していても判断に迷うような項目が平気で出てきます。税法の規定に従って合理的に解答することが求められているのでしょうけど、受験生の立場としては「勘弁して下さい」というのが本音です。
理論問題ですが、財務諸表論は会計基準に関する用語記入及び論述問題ですが、何を聞かれているのかを考えて記述しないといけませんので、意外と厄介です。税法科目は法律の条文を「そのまま」論述(空所補充ではなく、文章そのまま)させたり、事例問題が出題されたりします。そのため、財務諸表論以上に暗記量が求められます。答案用紙がだいたい6枚〜8枚で、それをだいたい50分目安で埋めていきますので、かなりのボリュームです。
最後に簿記論について記します。簿記論は唯一理論がなく、計算問題だけです。計算問題だけだから楽そうに見えますが、全然楽ではないです。まず120分では絶対に終わらない問題量が出題されますので、かなりのスピードを求められます。加えて、解答要求も多岐にわたるため、「何を聞かれているのか」をより意識する必要があります。日商簿記1級は合格していたので、「簿記論ぐらい合格できるだろう」と思って1年目に受験した際、見事に返り討ちに遭いました。(2年目は何とか合格できました)
税理士試験科目合格は税理士登録に絶対必要ですので、事務所での業務に力を尽くしつつ、最後の追い込みをしていきたく思います。